はじめてを、おしえて。
「しかも、自分で描く方」
最近は、専らコレで描いてるみたいだけど。
と、藤原君は、机の上を指さします。
そこには紛れもなく、キャラシールでデコレーションされたパソコンと、それに繋いで絵を描くための、ペンタブレットがありました。
「…………」
「……姉ちゃんは、中高とずっとイジメられてたんだ。
だから、もうオタクなんかやめたらって言ったんだけど。
何か、姉ちゃんの漫画のファンがいるみたいでさ……。
『一人でも読んでくれるうちは、私は描き続ける!』
だって。バカだよな」
バカだよなと言ったわりには、藤原君は微笑んでいました。
「でもさ……。ちょっと、かっこよくね?」
と。