はじめてを、おしえて。
お姉様、何という事を!!
口をパクパクさせるボクを、藤原君は引っ張って、また自分の部屋に戻りました。
「ヴィヴィアンちゃん、本はどれでも見ていいからねー。
また新居にも、遊びに来てねー」
「うっせぇ、早く旦那のところに帰れ、バカ姉!」
ドア越しに話しかけてきた魅鈴お姉様に、藤原君は怒鳴ります。
やがて、クスクスという笑い声の後に、階段を降りていく音が聞こえました。
「ったく……。
おい、同じオタクでも、あぁいう事を大声で言う女になるなよ」
「なりませんよ……」
というか、なれません。
あれは、男兄弟がいるからこそできるギャグだと、ボクは理解しました。