はじめてを、おしえて。
あっちを立てればこっちが立たぬ
数日後……。
「斉藤、トーンカスついてる」
藤原君はごく自然に、教室でもボクに話しかけるようになっていました。
周囲も、だんだんとそれに慣れてきています。
「ぬわっ!!」
「あー、またエロい漫画描いてただろ」
「な、何故わかるのです!?」
「だってこれ、モザイクとバラじゃん」
藤原君は、ボクの肘についていたスクリーントーンの切れ端をつまんで笑います。
なんということ。
もうすぐ夏コミの原稿の締め切りなので、必死で仕上げをしたのがバレてしまいました。
しかも、ホモ漫画の。