はじめてを、おしえて。


なんて思う余裕はありません。


怖くて、どうしても顔が強張ります。


しかし彼女たちの顔は、今日は般若ではありませんでした。



「あのさー。この前はやりすぎたし、言いすぎた。

ごめんね」



一人の女子から、ぶっきらぼうにかけられた言葉。


一瞬、幻聴じゃないかと思いました。


彼女たちはそれだけ言うと、さっさとどこかへ行ってしまいます。



「あーもうやめやめ、あんな説教くさい男」


「あんなに怒る事ないよね」


「もういいじゃん、終わった事なんだし」



……そうぶつぶつ言う声が遠くから聞こえました。


どうやら……和解が成立したとみて良さそうな……?


うん、そんな感じですよね。


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