はじめてを、おしえて。
思えば、彼女達だけが悪いのではない。
ボクだって協調性というものがまるでないから、クラスマッチなどで迷惑をかけてきたことは、確かなのです。
今まで歩み寄ろうとせず、心の壁全開で相手を拒絶していたのは、ボクだって同じなのです。
藤原くんといると、だんだんそういうことがわかってきました。
ボクは相変わらず漫画が大好きだし、BLがなければ死んでしまう。
だけど、それ以外は……
「斉藤、大丈夫か?」
「あ、藤原くん」
「何か言われたのか?」
「……謝ってくださいました。
彼女達は、ツンデレのようです」
「へえ……!良かったな!」
藤原くんが、ぽんぽんと二回、ボクの頭を軽くたたきました。
それが、新しい魔法に思えます。
その魔法で、オタクであるという事以外は、だんだんと変わっていけるといいな。
そんな風に、ボクは思いはじめていました。