はじめてを、おしえて。
「恋でもしてるんでしょ。
あなた最近、すごく綺麗になったワ」
「……!?」
突然のオネエ先生の指摘に、ボクはコンテを落としてしまいました。
綺麗になったは違いますが、恋をしていることは事実なのです。
「ウふふ、可愛い♪図星なのね♪」
「ち、違います、違います!」
「照れなくたっていいじゃない。
あなたたちも良い恋しなさいよー!
その方が作品に深みが出るから!」
オホホホ、と笑いながら、オネエ先生は他の部員にも手を振り、嵐のように去っていきました。
まったく、人騒がせな……。
そんなこんなで部活の時間は終わり。
ボクは片づけをして、部室をあとにしようとしました。