はじめてを、おしえて。


帰りは、皆と一緒に行くのが常です。


ボクは彼女たちに話しかけようとしました。


しかし彼女たちは、自分達だけでさっさと行ってしまいます。


普段から漫画の話しかせず、特別仲が良いわけではないけれど。


突然の変化に、ボクは戸惑いました。


胸の中に、いやな色の雲が広がっていくようです。


でも、このままじゃいけない。


ボクには勇気があるはず。


自分で歩み寄らねば、何も変わらない……。



「あの、」



ボクは思い切って彼女たちの背中に声をかけました。


彼女たちは、歩みを止めます。



「どうして、無視するのですか」



ボクが何か、気に障ることをしたのだろうか。


そうであれば、謝らなければ。


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