はじめてを、おしえて。
あぁ、違う……。
お姉様のおかげで、免疫があるだけじゃない。
キミは、本当に優しくて、大きい人なのですね。
女子も男子も、気持ち悪いと言って、存在自体無視されているボクを……。
普通に、扱ってくれるなんて。
ボクは、教室に入ると自然に藤原君を目で追ってしまいました。
「藤原、これサンキュー」
ある男子生徒が、藤原君にDVDらしきものを渡します。
「おぉ、早かったな。
ゆっくりでも良かったのに」
「なに藤原、それAV?」
横から突然、ある女子が会話に割って入ります。
しかも呼び捨てで。
けれど藤原君は、全く嫌そうな顔をしませんでした。
「バーカ、お笑いだよ。
お前も見る?」
藤原君は、笑って返しました。