はじめてを、おしえて。


さっき藤原くんの自転車の後に乗っているときも、

ボクは師匠と藤原君の素敵なストーリーを考えてしまっていたのです。


どっちを『受け』にするべきだろうか?


キャラや体格からしたら、藤原くん受けが自然なのだけれど、一見粗野な師匠が受けというのも萌える。


こんな腐った脳の持ち主のどこを、羨ましいと思う理由があるのでしょう?



「そんなこと、言われても……」



情けなくて、涙がちょちょぎれます。


今まで自分を受け入れてくれた人にはねつけられるのは、

今まで敵対していた人に意地悪されるよりも、

ずっとずっと悲しいことだと、ボクは気づきました。



「うん、そんなこと言われても、だよな。

斉藤は悪くない。

斉藤は最近、可愛くなって、明るくなった。

それを表面だけでも喜んであげられないなら、そいつらは友達じゃねーよ」


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