はじめてを、おしえて。


ぐずぐず泣いたままでいると、しばらくして藤原くんが口を開きました。



「俺には理解不能だけどさ」


「……?」


「斉藤がまだどうしても、そいつらと仲良くしたいっていうなら、

自分で努力するしかないよな」


「…努力……外見を元に戻すという事ですか?」


「それは俺が嫌だな。

せっかく、可愛くなったのに」



かあ、と頬が熱くなります。


今日は何度、可愛いと言われるのでしょう。


可愛いの大安売りですね。



「そうじゃなくてさ、結局そいつらはお前に嫉妬して、ハブにして、自分らが『これでいいんだ』って安心したいだけじゃん?

じゃあ斉藤は今のまま、幸せそうにしてたら?

見た目はそのままでも、オタク全開で話しかけたらいいじゃん。何度だって。

そのうち、気づいてくれるよ。

斉藤は自分達を見下してもないし、変化して幸せなんだって」


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