はじめてを、おしえて。
むに、と藤原くんに頬を引っ張られます。
痛いけれど、嬉しい。
「斉藤は笑ってたほうが、絶対いい」
藤原くんはにこりと笑って、指を離しました。
「玉砕したら、なんかうまいもんでもおごって慰めてやるよ。
夏休み、コミケ終わったらそんなに忙しくないだろ?」
……え。
それって。
で、で、デートのお誘い……っ!?
「あ、違うか。
仲直りできたらごほうびにって、言うべきか」
いや、もうどっちでも良いです!!
「が、がんばるですっ!!!!」
頑張ります、を間違えて、天然無自覚美少女のような話し方をしてしまいました。
ああ、オタクくさい。
それでも藤原くんは、「おー、がんばれよ」と頭をなでてくれました。