はじめてを、おしえて。


確かにジオラマはよくできている。


光る電飾が武将の進んだ道を表したり、撤退した軍の下の板が回転し、ぱたりとふたが閉じるようになっています。


藤原くんはキラキラした目でそれを見ていました。


実は藤原くんは、戦国オタクだったのです。



「戦国、好き?」


「どちらかというと、幕末の新撰組あたりが好きです」


「あー、オタクって新撰組好きだよなー。

でも戦国もいいんじゃね?

だって、強い男だらけだぜ?」



うん、確かに。


こんなに男ばっかりいるなら、戦場はパラダイスです。


きっと強い武将は、夜な夜な美しい小姓を侍らせて寝ていたに違いありません。


戦場に女を連れて行った武将もいるそうですが、あえてそんなのは無視します。


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