はじめてを、おしえて。


「あ、ほら、あっちに刀とかある!」


「ぬっ!?それは見逃せない!

ボク、武器は大好きですっ!」


「だろっ?」



ボクたちは博物館の中ではしゃぎまわりました。


こんないんちき城の博物館でこれだけ盛り上がれる高校生はボクたちくらいでしょう。


待ち合わせの場所に着くまでは緊張して足が震えて汗が吹き出ていたけれど、

いつのまにかそんなことは気にならなくなっていました。


今日の藤原くんは、当たり前ですが制服ではありません。


ポロシャツにハーフパンツという、とっても無難な組み合わせで待ち合わせ場所に現れました。


男子のハーフパンツは、美しくない。


だって、すね毛が見えるから。


ボクは今まで、男子のすね毛を直視することすら無理でした。


2次元と違うことは、視界から排除するようにしていたのです。


あんなもの、半分しかズボンの役目を果たしていないではないか。


そう思って、体操服のハーフパンツも憎んでいました。


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