はじめてを、おしえて。


しかし、今は……


そんなものにこだわっていた自分がすごくバカらしく思えます。


一方自分は、これまたファッションセンターで買った安い服を身につけていました。


Tシャツに、スカート。無難です。


情けない事に、またママに選んでもらったものですけれど。


組み合わせを考える脳が、ボクには欠如しているのです。


ファッション誌も見てはみたのですが、モデルさんたちが美しすぎる。


この人に似合うものが、自分に着こなせるわけないではないか。


どんどんマイナス思考になりそうだったので、ボクはそれを廃棄しました。



「おー、俺そういうシンプルなの好きだな。

なんかさー、重ね着とかごちゃごちゃしてんのって、見てて暑苦しい」



藤原くんがそう言ってくれたので、ボクは夏じゅうTシャツとスカートで過ごすことを決めました。



藤原くんが気に入ってくれさえすれば、たとえセットで1500円の服だろうと、ボクにとっては最強のアーマーとなるのです。



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