はじめてを、おしえて。
そうして、お城も博物館も見てまわったあと、ボクたちは広場に人が集まりつつあるのを見つけました。
「何が始まるんですか?」
「武将隊が来るんだよ」
「な、ナヌ!?」
武将隊とな!!
それはオタクの心を激しく揺さぶります。
「ここのは有名どころじゃなくて、一番偉いやつとその部下の武将たちって感じだぜ。
コスプレした売れない俳優が頑張ってる」
うっ……そうなのか。
やがて大音響で音楽が流れ始め、売れない俳優たち、もとい安っぽい衣装を身につけた武将隊が現れました。
彼らはそれぞれの役になりきり口上を述べ、刀や槍の模造品を持って、振り回しながら踊ります。
まあ、夏なのに大変だこと。
日傘を差したボクは、明らかに人込みで邪魔です。
ボクたちはそっと、その場所をあとにしました。