はじめてを、おしえて。
「あそこにも、オタクいたなー」
城から歩いていくとすぐ、大きな公園があります。
ボクたちは適当なベンチに腰かけ、売店で買ったカキ氷を食べていました。
藤原くんオススメのカリンを漬けて作った自家製シロップのカキ氷はとても美味しい。
今まで見た目の可愛さだけで、迷いなくイチゴ味ばかりを選んできた自分を恥じました。
「いましたね。最前列に」
「見るとすぐわかるよな」
「はい。オーラが違います」
武将隊のおっかけというやつでしょうか。
何故何をするでもなく、広場の真ん中に座っているのかな、と城に入る前から彼女たちには気づいていたのです。
彼女たちはいんちき城が作った、いんちき武将のうちわを持って、いんちき武将Tシャツを着ていました。
楽しそう。ちょっと、混ぜて欲しい。
ボクは正直、そう思いました。