はじめてを、おしえて。
「すげーよな。
熱中症覚悟で朝から待ってるって話だぜ。
あの最前列を取るためにだけ」
「気持ちはわかります。
手の届かないアイドルより、一緒に写真が撮れる、ちょっと近い人の方が、応援したくなりますね」
「へー。最後まで見たかったか?
あいつら、あのあとMCみたいなのして、それから歌いながら観客と全員で踊るんだぜ?
ま、本気で踊ってるのは最前列と子供だけだけど」
「な、なんと……!!」
ちょっと、見たかった。
あのいんちき武将隊と、そのおっかけさんたちのダンス。
なんなら、一緒に踊りたかった。
でも。
「いえ、やっぱり、良いです」
ボクは首を横に振りました。