はじめてを、おしえて。
「良いじゃないですか。
ボクなんか、♪みっちゃんミチミチ♪……」
「バカ、やめろ」
はっ、なんとはしたない歌を歌いそうになったのでしょう。
止めてくれて、良かった。
「じゃあ、みちる」
「はい、いっくん」
「……これからよろしく頼む」
「…………押忍!」
体育会系の挨拶に、そのまま返すと。
藤原君は、バカ、と笑って。
足元に落ちていた日傘を拾い、周りからボクたちの姿が見えないようにして。
そっと、触れるだけのキスを、してくれました。