はじめてを、おしえて。
宣言!
夏休みが終わっても……
言葉通り、いっくんはボクに無闇に触ろうとはしませんでした。
コミケで久しぶりにお姉さまに会った時は、
「付き合うことになったんだってぇ?
もうエッチした?」
なんてワクワク顔で聞かれてしまったのですけど。
それを申し訳ないと思う間もなく、夏休みの課題を終わらせ、学校が始まったら文化祭の準備。
忙しいボクたちは、そんなことばかり考えている余裕はありませんでした。
しかし忙しい毎日の中でも、帰り道、いっくんの自転車の後ろに乗せてもらい、寄り道をする事が時々ありました。
それを学校の人間に目撃されるのは、当然の事……。
あっという間に、クラスにボク達がお付き合いを始めた事が、バレてしまいました。
幸運だったのは……。
それで、元々人気者だったいっくんの評価が、下がらなかった事でした。
そして、ボクの地位が無駄に向上する事もありませんでした。