はじめてを、おしえて。
「そういえば、藤原くんとは順調?」
彼氏ができた、と報告したとき、理香さんはすごく喜んでくれました。
まるで自分のことのようにはしゃいでくれて、ボクはチワワの粗相は完全に忘れることができました。
「え、あ、はい。仲良くしてます」
「そうでなくてー。
どこまで進みましたか?」
「え、と、接吻までです」
「へー。大事にされてるんだ。
良かった良かった!
泣かされたら私が文句言ってあげるからね!」
理香さんはボクたちをバカにすることはありません。
ボクはすごくホッとしました。
おあずけを食らわせているのはボクのほうで、すごく罪悪感があるのです。
いっくんは気にしなくて良いと言ってくれているけれど。