はじめてを、おしえて。


「もう、ほんとに疲れた。

あの人の機嫌とるの」


「そう……じゃあ、もうやめたら?」



ぐちぐちと言う彼女たちに、理香さんがあっさりと言ってのけました。



「うん、そうしようかな。

そうしたら、理香ちゃんたちのグループに入れてくれる?」



彼女たちは期待の眼差しでボクたちを見ます。


しかし理香さんはぴしゃりと言いのけました。



「私たちは別に、グループなわけじゃないよ。

仲良くなったから一緒にいるだけ。

自分がどこかに所属していないと不安だから、って理由のグループは、いらない」



これにはボクも同感でした。


市川さんの悪口を言うためのグループなんて、嫌です。気が滅入ります。


まさか拒否されると思わなかったのでしょう。


彼女たちはあんぐりと口を開けています。


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