はじめてを、おしえて。
「では、あとはお願いします。
ボクは失礼します」
「あ、さてはダーリンのところへ行くのだな?
私もそうしようかな」
ボクと理香さんは、何となく後味の悪いその場をあとにしました。
理香さんは、彼氏さんとの待ち合わせ場所へ。
ボクは何の用事もないので、文芸部に向かいました。
何故なら、いっくんは今の時間、クラス展示の係をしているはずだから。
ボクは一人で文芸部のブースへ向かいます。
やがて、それが見えてきました。
深呼吸して、ドアを開けます。
すると……
そこには、市川さんが一人きりでぽつんと座っていました。