はじめてを、おしえて。


どうやら、ボクにもいっくんの熱血パワーが伝染してしまったようです。


一気に言い切ると、途端に体の力が抜けていくのを感じました。


同じように、市川さんも、脱力してイスに座りなおしました。



「……どうせ、私は誰にも好かれないんだから、放っておいてくれ。

ブスだしデブだし、頭は悪いし」


「そんなことないよって、言ってほしいんですか」


「!?」


「悪いですが、否定しません。

ボクも人のことは言えませんが、あなたはブスだし、デブです。

おまけにオタクで性格もじめっとしています。

でも「そんなことないよ」「今のままでいいよ」って言ってくれる人の中でだけ生きていては、

それ以外の人を排除しているようでは、あなたはずーっと、デブでブスのままです。

今回孤立したのは、良い機会だと思います。

自分を見つめなおすための……」


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