はじめてを、おしえて。
あ、言い過ぎたようです。
市川さんの顔に怒りが燃えてくるのが見えました。
「気に入らないっ、その上から目線!!」
「上からなんて、見てないっ!!」
「見てる!!」
「見てない!!
ちょっと前までの自分が、あなたと全く同じだったから言うのです!!」
ボクが珍しく声を張り上げると、市川さんは驚いて黙ってしまいました。
「……無理して変わる必要はありません。
だけどあなたが、ご自分の現状に満足しているようには、とても思えない」
ボクもそうでした。
お友達なんかいらないとつっぱっていたけれど、本当は寂しかったのです。
「誰もあなたを変えることはできません。
あなたが、皆をいいなりにすることができないように。
これからどうするかはあなたが決める事。
ただボクは、これからもあなたに話しかける。
それを宣言します」