はじめてを、おしえて。


それだけ言って、その場をあとしにしようと振り返ると……



「ぎゃぼっ!!」



いつの間にか、廊下からたくさんの生徒がコチラを好奇の眼差しで見ていました。


オタク同士の喧嘩が珍しいから、見に来たのでしょうか。


そして……


何故か、彼らからぽつぽつと、拍手が起こりました。



「いいぞ、オタク!!」


「なんかおもしろかった!!」



いやいや、なんですかその掛け声。おかしいですって。


ボクは照れてしまい、市川さんの後へ隠れようとします。


すると必死で抵抗されました。



「やめろ、斉藤殿っ!!

私がデブだからといって、隠れ蓑にするなっ!!」


「うええん、いいではありませんかー」


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