はじめてを、おしえて。


「いいから……おいで」


「えっ」


「おじさんが、お金をあげるから」



ボクの腕をつかんだおじさんは、そのままどこかへ引っ張って行こうとします。



「まっ、待って!本当に、ボクは……」


「騒ぐな!」



ぐい、と腕を引かれ、耳元でそう言われました。



「俺は、警察官だ。

言う通りにしないと、お前を売春で補導するぞ。

警察は、なんだってでっち上げられるんだからな」



な、な、なんと!!


ボクは恐怖で、背中が震えました。


身を売る子供もバカだが、それを買う大人は……。


人外、鬼畜だ――。




ボクは鬼畜おじさんに引っ張られ、人気の無いトイレに連れていかれました。


どんなに抵抗しようと、非力なオタク。


しかも、脅され、声も出ませんでした。


< 227 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop