はじめてを、おしえて。
いつも触れるだけのキスは、深く重なりあう大人のキスに変わります。
いっくんの舌が、わたしの口内に入り込んできました。
わたしはどうして良いかわからず、懸命に鼻で呼吸をします。
口が解放され、息継ぎをしようとした瞬間。
いっくんが、わたしをベッドに押し倒しました。
「……本当に、触っていいのか」
「……うん」
「そっか……。
あの……申し訳ないんだけど」
「はい?」
「俺も初めてだから、至らない点が多々、あると思う……
けど、よろしくお願いします」
何それ。
何故この王子様は、この段になって、ムードをぶち壊すのだ?
そんなの、気にしないのに。
むしろ、嬉しいのに。
わたしは、思わず笑ってしまいました。
そして、こう返しました。
「押忍。こちらこそ。」