はじめてを、おしえて。
「さっきの、あれは、ねぇよな」
「あれ?」
「感じ悪いよな。
小沢に、言ってやろうか」
小沢君とは、確かボクの隣の席の男子の名前です。
あぁ、現国の時間のガン無視の事を言ってるのか。
ボクはぼんやり、気がつきました。
「あー、いいです、大丈夫です」
むしろ、波風立てないでいただきたい。
ボクは静かに生きていきたいのです。
「そっか……悪いな」
「な、何が?藤原君は、何も……」
「いや、あれは人としてダメだろ。
教えてやろーと思ったのに、弁当食ってて俺も聞いてなくて。
マジ情けねーよ。
ってか、今まで、皆と一緒に見て見ぬふりしてた俺も同罪だよな。
ほんと、ごめん」