はじめてを、おしえて。


「!」



何と、ヤンキー同級生の顔が、平凡先輩の顔にごく自然に近づき。


その可憐な唇を、牙でも生えていそうな野蛮な口で、ふさいでしまったのです。


ああああ、あれは俗に言うチューというやつではないか!


そ、そう、キ、キ、キ、キスです!!


ぎゃわー!!


なんと、真っ昼間っから破廉恥な!!


こちらが貯水タンクの陰になっているとはいえ、大胆な……。


そう思いながら、指の間からしっかりその光景を見ているボクの耳に、藤原君の押し殺した声が聞こえます。



「……最後までするかな?」


「はい?」


「どこまでするのかな、あいつら」


「!!」



藤原君が!


藤原君があぁぁ!!


明らかに、キスの先の出来事を想像をしているぅぅぅ!!


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