はじめてを、おしえて。
「あ、やめるんだ」
ヤンキーと平凡先輩は、すぐに顔を離して……。
照れた平凡先輩が、ぽかりと破廉恥ヤンキーの胸を殴りました。
ボクはほっと胸をなでおろしました。
やめてくださいよ……。
こちらの方が、ドキドキしてしまうじゃないですか。
横には藤原君がいるというのに……。
しかも。しかも……。
「斎藤、すげー赤い」
藤原君、普通のテンションで言わないでください。
あぁ、そうなのだ。
いくら優しかろうと、今時珍しい正義感の持ち主だろうと。
しょせん藤原君も、高2の男子。
そういう破廉恥な事に興味があって、当然なのです。
こんなに素敵な人なのだから、そういう経験を済ませていても不思議はありません。
だから余裕があるのです。きっと、そうです。