はじめてを、おしえて。
「藤原君は……彼女さんとか、いるんですか?」
ボクは思わず、聞いてしまいます。
胸が痛いわりに、意外とすんなりと声が出ました。
藤原君は、意外な質問に丸い目をますます丸くして、
「ううん。斎藤は?」
と答えました。
「いるわけないじゃないですか!」
ボクの恋人は、皆2次元の人。平面なのです。
「そうか、そうだよな。
いたら、柔道部のぞかなくても、彼氏にモデルになってもらえば良いんだもんな」
バカだなー、俺。
藤原君は、そう言って笑いました。
そ、そうでなくて。
こんなオタクに彼氏がいるわけないと、普通の人は判断すると思うのですが……。