はじめてを、おしえて。
「まぁ、もう部室には来ない方が良いかもな。
マネージャー、部長と付き合ってて、他の女子にスゲー厳しいんだ」
「はぁ……」
言われなくとも、もう行きません。
お友達になれなくても構いませんが、敵視されるのは御免です。
「だからさ」
「はい?」
藤原君はボクの目を見て、普通のテンションで言いました。
「俺で良ければ、個人的にモデルやろうか?」
……な、何と。
今、何とおっしゃったのですか。
彼氏がいないボクに、同情してくれたのでしょうか。
それとも、お弁当が本当においしかったのでしょうか。
しかもボクが描きたいのはホモ漫画であり、絵ではない……。
いや、あぁ、もう、何でも良い――。
ボクは必死で、首を縦に振り続けました。