はじめてを、おしえて。


「おっす」



日曜、指定された駅に着いた時。


藤原君はすでに、そこにいました。



「す、すみません、遅くなって」


「ん?時間通りだぞ?」


「でも、お待たせしてしまって……」


「全然。今来たとこ」



……今来たとこ。


……ジーン……。


漫画みたい……。


ボクの胸はたちまち熱くなってしまいます。



「斎藤、私服だと全然印象違うのな」



藤原君はボクを見て、その猫目をパチパチさせます。



「へ、変ですか?変ですよね!すみません、うわあぁぁ」


「変じゃねぇよ。

そのリアクションの方が、変だ」


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