はじめてを、おしえて。
ほら、と言って。
藤原君は、路上でかがみこんだボクを起こしてくれました。
片手には、ボクが持ってきた、スケッチブックなどの画材が入った大きなケースを持って……。
またまた、ジーン……。
ボクの胸は、灼熱のごとく、熱くなるばかりでした。
ああ、良かった。
実はボクは今まで、私服など、近所のスーパーでママが買ってきた服しか着た事がなかったのです。
ボクはママに頼み込み、安価で流行モノが手に入るという、有名なファッションセンターに連れていってもらいました。
そこで、何体かのマネキンから、ママにボクに合いそうなものを選んでもらい。
上から下まで、そのまま購入しました。
しかし、靴もなければ靴下もない。
バッグも、キャラクターモノしか、ない。
ボクは泣く泣く、新しいゲームソフトを買うつもりの貯金を下ろし、それらを購入しました。