はじめてを、おしえて。





……疲れたかも。


ふと気づいて時計を見ると、もう夕方になっていました。


日がまだ明るかったため、気づかなかったのです。



「すみません、お疲れ様でした!」


「ん?あぁ」



藤原君はうなずくと、伸びをしてベッドから降ります。



「どんなん描けた?見せて」


「はっ、えっ、いや、まだスケッチなので、ちゃんと油彩にしたらお見せします」


「それっていつになんの?」


「文化祭くらい……かな?」


「それって9月じゃん!」



今はまだ6月。


おっせぇな、と藤原君は笑いました。



「スケッチでいいよ、見せて」


「や、あの……」


「斎藤、スゲー真剣な顔してた。

だから、どんな絵が描けたか、気になる」


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