はじめてを、おしえて。
漫画の中でいやらしい行為をするのが。
全て、藤原君に見えてしまうのです。
忘れなくてはいけないのに……。
漫画を描かなくては、いけないのに……。
そう、ボクにはサークルの一員として責任があります。
ボクは雑念を必死で振り払い、やおい漫画を描きました。
自分の部屋で、ひとり。
泣きながら――。
あぁ、世の中が皆、美少年なら良いのに。
ボクが女の子でなかったら、藤原君と友達になれたかもしれないのに。
そんなどうしようもない事を、考えながら。