はじめてを、おしえて。
次の日――。
「次!」
「お願いします!」
ボクは、柔道部の部室をこっそり窓から覗いていました。
イラストや絵を書くのは好きですが、漫画を描くのは初めてのボクは。
一度、本当の男の子同士のカラミを見たいところなのですが。
そんなDVDを地元のレンタルビデオ店で借りるわけにもいかず、思いついたのが柔道部だったのです。
ボクは誰かが寝技をかけられる瞬間を待っていました。
その他にも、男の子の鎖骨や、筋肉の様子がわかり、ボクは夢中でノートに殴り書きで、彼等の様子を写しとりました。
ただな……。
全員、顔が、イマイチ。
気持ち悪い。
ニキビやすね毛はまだしも、胸毛がある部員までいて、ボクは直視できませんでした。
「やっ!」
「一本!」
おぉ~。
その中でも、一際輝く部員が居ました。
これが、ボクがキミの存在を初めて認めた時だったのです。