はじめてを、おしえて。
「お願いします!」
キミ……キラキラ部員(輝いていたので、そう呼ぶことにしましょう)
が言うと、次の相手らしき人が出てきました。
「はじめ!」
声がかかると、お互いに、襟を取られないための激しい攻防が続きます。
「あっ」
キラキラ部員は、奥襟を取られてしまいました。
ハラハラしていると、彼は。
何をどうしたかはボクの動体視力ではわからないけど。
相手の襟を取り返し、ぐいと引っ張ると……。
そのまま、自分の身体を相手の身体の下にもぐりこませ。
「!」
一瞬で、相手を背負って、投げてしまいました。
強ーい……。
柔道の事なんか、てんでわからないけど。
多分、彼は以前から、非常に強いのです。
その証拠に、他の部員たちは誰も驚いた顔をしていませんでした。