はじめてを、おしえて。
「と、言いますと……」
「男の子がそうなるのって、あたしたちにはわからないけど、ありえることだと思う」
「ええー!!」
ががーん。ショックです。
里美先輩が、たちまち遠くに感じられます。
シンクロ率が下がっていく……A○フィールド、すなわち心の壁を全開にしなければ……
「あなたが間違ってるって言ってるわけじゃないよ。
ねえ、傷ついてるなら、彼にちゃんと話をしたほうがいいと思う。
あなたがどれほど怖かったか伝えて、謝ってもらったほうがいいよ。
……それに、」
「…………」
「彼もきっと、謝りたいんじゃないかな……」
ふと、下駄箱で話しかけてきた藤原君の顔が浮かびました。
いや、怖くて顔は見ていなかったのですけど。
その声から察するに、眉を下げて申し訳なさそうな顔をしていたのでしょう。