はじめてを、おしえて。


「……斉藤さん、その人のことどう思ってたの?」


「え、」


「それだけ傷つくってことは、好きだったの?」


「……わかりません……」



ボクは卑怯です。


また、逃げてしまいました。


本当は、とっくに気づいていたのに。


ノートを拾ってくれたあの日、


キミの存在に気づいた日から、ボクは……



「……大丈夫だよ。怖いことじゃないから」


「先輩……」


「夢見てた順番と違うから、驚いたんだよね。

でも、大丈夫。

怖くなんかないよ。

男の子は、汚くなんかない。

好きなひとに触られるのは、本当は幸せなことなんだよ?」



にこ、と先輩は笑いました。


それこそ、天使のような顔で。


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