はじめてを、おしえて。
努力と根性


ようし、頑張るぞ。


いきなりお付き合いしたいというよりは、藤原くんとお友達になりたい、仲直りしたいという想いが、ボクを突き動かします。


ボクはヤンキーに言われたとおり、まず天然のままの眉毛をなんとかすることにしました。


今まで、鏡なぞじっくり見たことはなかった。


だって、怖かったのです。


同じ年頃の娘さんのように輝いている自信が、なかったから。


ボクは帰宅すると、ママが夕食の支度をしているすきに、彼女のドレッサーを拝借することにしました。



「うっ……」



ドレッサーの三面鏡を開くと、なんともぼんやりした自分の顔が映ります。


思わず目を背けたくなりましたが、ここが根性の見せ所。


眉毛、まず眉毛に集中すれば良いのだ。


オタクは手先が器用なはず。


ボクにもできるはずだ。


……と言っても、どうやって?


どうやって、みんなのようなナチュラル眉になれるのでしょう。


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