はじめてを、おしえて。
ううむ。
とにかく、ボクの眉毛の量が多い事は確かだ。
そう、ママが眉毛を整えているのを幼き日に見たことがある。
それを思い出すのだ。
「まず……抜くのだよな?」
毛を抜く。といえば、ピンセットのようなものがあるはず。
ボクはママのドレッサーをあさります。
すると、小さなハサミのような持ち手をした、奇妙な器具が現れました。
持ち手の上部には、アーチ型に湾曲した、ギロチンのようなものがついています。
ギロチンの下にはゴムがついていました。
「……なるほど!」
このアーチ型は、オデコのカーブに沿うように作られているに違いない。
ボクはそれをそっと、眉毛にあてます。
ギロチンは首をはねるもの。
挟めば眉毛が切れるのかもしれぬ。
ぎゅ、と指に力を入れますが、ゴムがついているそれで、眉毛が切れるわけはありませんでした。