はじめてを、おしえて。
ドアを開けたママは、抜けた眉毛が散乱したドレッサーの上とボクを、交互に見ます。
やがて、悪魔のギロチンを拾い上げました。
「……ねえ、まさかとは思うけど……」
「ご、ごめんなさい!!
決して、お金を取ろうとか思ったわけではなく……」
「そんなこと疑ってないわ。
ねえ、まさかこれで眉毛を抜いたの!?
これはビューラーよ!?」
びゅ、びゅうらあ?
なんだそれは。
「これは、まつ毛をはさんで上げる道具なの。
って、なんでママは高2にもなった娘に、そんなこと教えなきゃならないの!!」
ママは「情けない!」と、泣き出してしまいました。
泣きたいのはこちらです。
まさか、まつ毛をはさんであげるなどという技があるとは思わなかったのです。
眉毛を返して欲しい思いでいっぱいです。