はじめてを、おしえて。
次の日の朝……ボクの顔にはむざんなクマが、くっきりと出来上がっていました。
「おおおおおんっ!!」
何という事だ!!
これでは昨日の努力が水の泡ではないか!!
暴走したエヴァン○リオン初号機のような唸り声をあげていると、ママがさっとボクの背後に回ります。
そして、そっとボクにあるものを差し出しました。
「しょうがないわね。
これをクマに叩き込みなさい。
その上からパウダーをはたくのよ」
「コーチ、これは……っ」
「1年中青クマと戦う真彩も愛用の、クマ隠しコンシーラーよっ!!」
「おお……っ!!
……ところで、真彩とは誰ですか?」
「気にしちゃいけないわ!!」
ママはぱぱっと、ボクのクマをコンシーラーで隠しました。