はじめてを、おしえて。


下駄箱にて……ボクはこそこそと、藤原くんが来るのを待ちました。


やがて、朝練を終えた彼がやってきます。


爆発しそうな心臓を押さえ、ボクは勇気をふりしぼりました。



「おおおお、おはようございます!!」


「おはよ……って、え?あ、斉藤?」



藤原君は、ボクを初対面の時のような目で見つめます。


一瞬ボクが誰だかわからなかったようでしたが、鞄のキーホルダーで判断したようでした。



「あ、あの、お話があるので、放課後お時間をいただけないでしょうかっ」


「え、あ、うん。

部活があるから、終わるまでまっててくれるなら」


「いくらでも待ちますとも!!」



勢いよく答えると、それまで戸惑っていたような藤原君は、ぷっと吹き出しました。



「その話し方、やっぱ斉藤だ」





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