はじめてを、おしえて。
「あとは髪の毛がぼさぼさじゃなかったら良かったのに」
「……!!」
しまった!!
髪の毛まで気が回らなかった!!
いつもかたく縛ってくる髪は、寝癖はついていないものの、のびっぱなしのそれは格好悪い髪形のままでした。
「じゃあな、引き続きがんばれよ」
アニキは藤原君の方をチラリと見ました。
そして、ボクに耳打ちします。
「あれがお前の乳もんだやつか?
殴ってやろうか?」
「な…っ、そんなことをしたら、先輩にいいつけますからっ!!」
「けっ、つまんねーな」
アニキは笑いながら、自分のクラスへと歩いていってしまいました。