はじめてを、おしえて。


「あとは髪の毛がぼさぼさじゃなかったら良かったのに」


「……!!」



しまった!!


髪の毛まで気が回らなかった!!


いつもかたく縛ってくる髪は、寝癖はついていないものの、のびっぱなしのそれは格好悪い髪形のままでした。



「じゃあな、引き続きがんばれよ」



アニキは藤原君の方をチラリと見ました。


そして、ボクに耳打ちします。



「あれがお前の乳もんだやつか?

殴ってやろうか?」


「な…っ、そんなことをしたら、先輩にいいつけますからっ!!」


「けっ、つまんねーな」



アニキは笑いながら、自分のクラスへと歩いていってしまいました。



< 97 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop