はじめてを、おしえて。
「話しかけてくれて、嬉しかった。
じゃあ、放課後な」
背後にクラスメートの足音が近づいてきたのを感じ、藤原君は先に教室へ向かいました。
きっと、ボクに気を使ってくれたのでしょう。
嬉しかった……
それは、ボクの方です。
きっと藤原君は、罪悪感を持ったままだったのでしょう。
ボクが逃げてしまったせいで、悪いことをしてしまった。
なのに、また笑いかけてくれた。
とくとくと、胸の傷が癒されていくのを感じます。
じゃあ、放課後に。
ちゃんと、お話をいたしましょう。
ボクはキミを恨んでなどいません。
むしろ、お友達になりたいのだと。