俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋


 私は目を瞑って考えた。

 龍二を傷つけない方法を。

 そのとき、唇に温かくて柔らかい物が当たった。

 フローラルの甘い香りが鼻をついた。肩に龍二の手の温もりが伝わってくる。

 目を開けると、目の前に龍二の顔があった。少し色黒で、切れ長の目。

 間近で見る龍二の顔もかっこいい。

 息をするために開いた唇の隙間から舌が入ってくる。

「やめっ…」

 一生懸命声を出して、これがやっと。

 龍二の端整な顔が、私の涙でぼやけて見える。

 私にとって龍二は仲のいい友達で、かけがえのない存在で。友達としてすごく好き。

 でも、やっぱり一番は―――

「何してんだよ」

 低い声が聞こえた瞬間、龍二が唇を離してくれた。

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