俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋
低い声の持ち主の隣には、顔を真っ青にした琴美がいた。
「何してんだって聞いてんだよ」
マッキーが、今にも龍二を殺してしまいそうなくらい殺気を漂わせて低い声で言った。
「何って…見ればわかんだろ。キスしてんだよ」
龍二の言葉に、マッキーの眉がはねた。
「なんでキスなんかしてんだよ」
マッキーが低い声で言った。今まで聞いたことのないくらい低い声に、私は震えた。龍二が私の肩を抱き寄せてくれる。
「お前がこいつのこと不安にしたからだろ」
龍二の声も、今までに聞いたことのない低い声だった。
「不安?俺がいつ不安にしたっていうんだよ」
その言葉に、私の中で何かが切れた。拳をグッと握りしめ、私はマッキーを睨みつけた。
「…もういいよ」
私は作り笑いを浮かべて琴美と龍二に告げる。
「琴美、龍二。今日はいろいろとごめんね?もういいから。ありがと」
私の言葉に二人は顔を見合わせて去って行った。それを見届けて、私はマッキーに向き直った。