俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



「騙した?」

 それは、怒ってることが痛いほど伝わってくる低い声。

「マッキーの気持ちが知りたくて。私と龍二が一緒にいたらマッキーはどういう反応するのかなって」

 目を背けたままの私には、マッキーがどんな顔をしているのかわからない。

 怒ってるかもしれないし、私を殴ろうと手を振り上げているかもしれない。或いは、別れ話を切り出そうとしているのかも…。

「キスも、」マッキーが低い声で言った。「計画のうちなのか?」

 私は頷くことも否定することもしなかった。

 今否定したところで何が変わるの?そう思ったから。

 否定したところで、私がマッキーを騙したことは変わらない。

 マッキーが怒ってることも変わらない。

「答えろよっ!!」

 マッキーが怒鳴った。怒鳴りながら私の顎を掴んで強引に正面を向かせた。

「…違う」

 私は小声で言った。

 こんなに怒ってるマッキーは初めて見た。

 自然と目を伏せてしまった私にマッキーは言った。

「こっち向けよ」

 もう怒鳴られたくなかった私は、その言葉に従った。

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